勤務時間管理が必要な本質的な理由と解決に向けて

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2018年以降、導入率100%を目指す統合型校務支援システムは、2017年3月時点で48.7%となっており、このICT化に対して 2018~2022年度までの5年、1,805億円/年の地方財政措置を講じることが文部科学省より発表されています。

統合型校務支援システムに勤怠管理は必要か

では、学校ICTを代表とする統合型校務支援システムが導入されれば、勤務時間は健全になるのでしょうか?下記、引用をご覧ください。

3 統合型校務支援システムを含めたICT化が期待される業務
統合型校務支援システムを導入済みの自治体・学校への調査の結果、多くの自治体から統合型校務支援システムの利用範囲の拡大が望まれる業務に「教職員の勤怠管理」がありました。統合型校務支援システムによる校務の効率化と併せて、ICTを用いて教職員の勤怠管理を実施できると望ましいという声がありました。ただし、教員は必ずしも始業後すぐにパソコン等を開くわけではなく、教員の就業開始・就業終了時間をどのようにして把握するかなど、統合型校務支援システムにおいて勤怠管理を行うには十分な議論・検討が必要です。また、タブレット等の携帯端末を利用して教室内で出欠情報や成績情報入力をできるようにすることなど、利便性向上による更なる業務改善を期待する意見も多く聞かれました。

統合型校務支援システム導入の手引き

この通り、統合型校務支援システムには勤怠管理・勤務時間管理は含まれておりません。一方で、ICTで勤怠管理を希望する要望は依然として高いようです。ただし、統合型校務支援システムに新たに機能追加を行うとなると、莫大な費用が掛かるだけでなく、機能のグレードも既存サービスと比較して落ちることでしょう。

勤怠管理の本質は賃金のためではない

では、勤怠管理をする目的について考えていきます。民間企業であれば、労務管理のために何らかの勤務時間の記録は必要なものですが、 学校では「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)の影響で、残業発生による給与管理という概念がそもそもないのが現状です。 給特法の問題については下記を引用します。

労働法制もそうした実態を放置できず、2010 年度からは月 60時間を超える残業については、150%増の時間外勤務手当を支給するように改正されました。ペナルティを強くして、残業を規制しようということです。
しかし教育職員の場合は、労基法 37 条が適用除外にされているために、時間外勤務手当を増額することで残業規制をするということはできません。教育職員の勤務態様の特殊性を踏まえ、教育職員については、勤務時間の内外を問わず勤務全体を包括的に評価した処遇として 4%の教職調整額が支給されているだけです。しかも、2007 年以降、教員賃金の縮減が続いています。

全日本教職員組合  給特法改正をめざす運動をすすめよう(討議資料)

不利益を被らざるを得ない学校ですが、仮に給特法改正により残業代が発生するようになるとして、それは国庫として受け入れられるでしょうか?下記、教育新聞から引用します

給特法改廃の議論が難しい最大の理由は、「お金がないから」だ。給特法によって教員に支払われていない残業代は年間9千億円に上る。給特法ができて以降、半世紀にわたって教員の時間外労働が増えてきた。本来、労働時間をタイムカードで記録したり、労務管理をしっかりしたりしていれば、時間外労働時間の増加を抑制できたかもしれない。それが「タダ働き」によって、いつしか9千億円分の「未払い残業代」にまで膨れ上がってしまった。

給特法=定額働かせ放題? 内田良名古屋大学准教授×斉藤ひでみ公立高教諭インタビュー

働いた分は報酬として賃金をもらうのが労働者の 当然の権利ですが、このままでは費用が膨大過ぎて学校経営のための法改正も難しい状況といえます。法改正を進めるためには超過労働を現状比で大幅に削減する必要があるでしょう、また、上記の通り、管理していればそもそもこの問題は抑制できたかもしれませんが、いわゆる「ブラック」な環境が横行するようにとなったのは学校だけでなく、民間企業も同じです。御幣を恐れずに言えば、今までの日本人の働き方そのものが今の時代に正しくないのかもしれません。

ここまで整理すると、学校において勤怠管理をするのは、賃金のためではないということになります。(それの善し悪しはここでは追求しません)

労働者を守るための勤怠管理

次に、勤怠管理をする動機の本質を考えます。民間企業では労務管理上に用いられ、時には超過労働に対する裁判で証跡としても用いられます。勤怠管理をしていないことは使用者側の監督不行届きであり、勤怠管理をしていても超過労働が定常化しているのでは、それも同様です。つまり、学校において勤怠管理をすることは「健全な学校経営」と「労働者の権利を守る」ことにつながります。

では、「労働者の権利を守る」ことについて、どのようにすれば守られていくのでしょうか?勤怠管理を行ったとしても、活用されなければ意味はなく、もはや社会問題ともいえる教職員の時間外労働は、教員個人ではなく、学校・教育委員会、引いては国が解決すべき問題です。活用のために何が必要になるかというと、すべてのアクションの根底にとなる数値を基にした統一的な指標と計画です。

例えばタイムカードや打刻システムで勤怠管理を行ったとして、その情報は恐らくは学校毎に異なるのではないでしょうか?教育委員会がその情報を受け取ったとして、学校毎に異なるデータを集計する必要がでてきますので、活用できるのは労働した月の数か月後または一年後かもしれません。現に実態調査は5年おきに予定されており、問題解決が急務なのに対して、調査結果が遅いと考えられます。

Q5 今回の調査自体が教員の負担になっているのではないか。

A5 前回調査では、28日間の勤務実態の記録をお願いしたところですが、先行研究等を踏まえ、7日 間の調査でも信頼できる結果を得られると判断したことから、教員の負担も考慮して設定しました。 一方、「今回の調査の回答に要した1週間分の合計時間」を質問したところ、平均回答時間は、 小学校で64分、中学校で66分となっております。 いずれにせよ、調査に当たっては学校現場の負担に配慮した調査規模や方法に留意する必要 があり、今後、教員勤務実態調査については、5年おきに実施することを予定しています。

教員勤務実態調査(H28)(追加集計分)

統括:今の時代に必要なICTによる勤務時間管理

文部科学省の緊急提言通り 、勤務時間管理は教員を守るためにすぐにでも行うべき施策です。統一的な指標と計画を実行するためにも、勤怠管理・勤務時間管理のデータを蓄積するだけでなく、学校・教育委員会で即時確認できる仕組みが必要です。そして勤務時間を健全化するには、関係者全員がスピード感をもって対策できる共通の仕組みづくりが求められます。それが今の時代に必要な勤務時間管理と考え、勤務時間管理に対するICT利活用への投資は必須といえます。


その具体的な方法とメリットは下記のPostをご覧ください。

勤怠管理と勤務時間可視化の違いとは

文部科学省 学校における働き方改革特別部会の調査の結果「『労働時間を正確に把握すること』が、「残業時間の減少」、「年休取得日数の増加」、「メンタルヘルスの状態の良好化」に資する。」と報告しています。
このことから、学校の働き方改革の実現のために、ICTによる勤務時間の可視化は重要な要素です。
NoverTiは、教職員個人、学校、教育委員会の3つの視点で、教職員の属性に基づいて分析できます。
教職員個人はご自身のことを、学校の責任者の方は自校の教職員の働き方を、教育委員会の担当者の方は管轄する学校の働き方を様々な属性から分析し、対策へと繋げられます。
レポートをクリックするだけで様々な切り口で自動で分析・集計できるので、勤務時間を記録するだけの運用よりも、ICTにより成果の見える働き方改革を日々実施できます。

詳細は下記ページの右下ポップアップからカタログをダウンロードください。


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