山形県 学校における働き方改革の取り組み手引き

「学校における働き方改革の取組み手引」(第1章、第2章)

前Postまでは北海道、岩手県、秋田県の各教育委員会における学校教職員の働き方改革の取り組みと計画を見ていきました。今回は山形県を見ていきます。各Postは下記のリンクをご参照ください。

山形県教育委員会の取り組み概要

山形県では平成 29 年4 月「 教員の働き方改革プロジェクトチーム 」を発足し、ガイドラインやアンケートを用いて、教職員の働き方改革を推進しています。取り組みにおいての配慮事項として、過去取り組みからの経験・事例を踏まえ校長によるマネジメント力の強化や各学校の実態に合わせた施策の実施をあげているようです。

① 個々の教員が改善意識を持ち、校務分掌、教科、学年、部活動等において教員相互の協力により業務を平準化・効率化するとともに、組織的な対応により 負担軽減を図る。
② 校長の学校マネジメントにより、業務の負担軽減を図る。
③ 外部の協力を得ることにより、教員の働き方の改善を図る。
④ 予算措置により、教員の働き方の改善を図る。

「学校における働き方改革の取組み手引」(第1章、第2章)

主体性が生まれる働き方改革

同県では、業務内容を 約 530 項目まで細分化し、それぞれに対して、「上記方針を元に「誰が主体性をもって改善に取り組むか」を明確化しています。目標に対して主体性を持つことは業務において重要で、当事者意識が生まれるため、このようなガイドラインを出すことは非常に効果的と考えます。ここでは、一部を抜粋します。

 「学校における働き方改革の取組み手引」(第1章、第2章) 負担軽減策
「学校における働き方改革の取組み手引」(第1章、第2章)

上記のように、各項目に対して、業務の責任者や改善の責任者を明らかにするだけでなく、参考事例を合わせて紹介し、学校毎でアレンジして改善に取り組めるようにすることを目指していることがうかがい知れます。

マネジメント層の意識改革の重要性

「学校における働き方改革の取組み手引」(第1章、第2章 学校マネジメント
「学校における働き方改革の取組み手引」(第1章、第2章)

また、マネジメントの重要性を強く説いており、学校経営者である校長の責任とリーダーシップの発揮を目指しています。教職員だけでなく、校長・教頭といった教職員経験の長いベテランに対しても意識改革・働き方改革が必要となります。

成功事例

改善効果のあった成功事例は合計57件となり、内訳は下記のとおりです。

  1. 個々の教員が改善意識を持ち、業務の平準化や効率化、組織的な対応により負担の軽減を図る。・・・25件
  2. 校長による学校マネジメントにより、教員の負担軽減を図る。・・・24件
  3. 外部の協力を得ることにより、教員の働き方の改善を図る。・・・8件

予算措置に関しては、サポートスタッフを配置することで、教師が授業中でも並行して事務処理を行えるため、お互いが効率的に業務を行えるようになり、結果として教師の業務負担を大きく軽減できることが期待できます。教師がコマ毎に事務作業を行わないことで、集中力の面でも良い効果が現れそうです。

また、部活動指導員を配置することで、土日祝日の部活動や大会時に指導員が対応できるようになるので、教員の部活動に対する業務負担も軽減されます。限られた予算の中かと思われますが、実質的な働き方改革を実現できるようになるのであれば、投資する必要性は十分だと考えられます。

勤務時間管理の効果的な施策

最後に勤務時間管理を行うことによって、効果の上がった事例をいくつかあげます。

<事例5-101>
定時退校日として、毎週水曜日を完全実施、金曜日は努力義務としたことにより、遅くまで残って仕事をするという習慣は、ほとんど見られなくなった。
<事例5-107>
県立学校において、出勤時刻と退勤時刻を記録し、教職員の勤務実態を把握することにより、長時間勤務の解消につながった。
<事例5-108>
担任にとって事務処理が集中する学期末に、2~3日間の事務処理日を設定し、放課後会議を設定しないことで、通知表作成の事務処理時間を勤務時間内に確保することができた。
<事例5-117>
月に1、2回「事務処理の日」を設定し、会議などを入れない日とした。職員は
集中して事務処理に取り組むことができ、能率が上がった。また、会議も計画的に行うことになり、会議の開催の見直しにもつながった。
<事例5-118>
隙間時間の活用を積極的に呼びかけている。
・5分 ⇒ 出席簿処理、連絡帳記入、授業等の記録
・10分 ⇒ 印刷業務、テスト結果の記入
・15分 ⇒ 簡単な文書作成、関係機関への連絡 など
<事例5-120>
学校予算でタイムカード端末を購入し、職員の出退勤管理に活用している。情報はデータで教頭が管理しているため、各自が報告する必要がなく、負担感もない。職員は、勤務時間を意識して業務を行うようになり、時間外勤務の縮減に効果が出てきている。

 「学校における働き方改革の取組み手引」(第3章、資料編)

実態を考慮した能動的な施策実施

今回取り上げた「学校における働き方改革の取組み手引き」では、他県のように勤務時間の統計などは取り上げられていないようでした。しかしながら、成功事例など他校でも取り組めるアイディアや方針を共有したり、アンケートやフォームなどを統一化して配信しています。 これは、平成24年3月 発表の「教師のゆとり創造の取組み指針 」で定めた下記方針を意識して、実質的な働き方改革にフォーカスできるように組織的に改善が進められているように見受けられます。

(2)配慮した事項
   これまでの取組みを踏まえ、新たな取組みの検討にあたっては、以下の点に配慮。
   ・学校の取組み自体に対する負担の最小化
   ・各学校の実態に沿った取組みの推進
   ・教師の仕事に対する充実感・達成感の醸成(拡大)
   
《これまでの取組みにおける評価・反省点》
・広範にわたる取組みは、あらゆる課題に対応が可能な反面、全ての学校が同じ内容で取組むことへの負担感もあった。
・教師の多忙化の状況は、学校種や学校規模、教員としての経験年数等状況によって異なるため、実効性を高めるには、学校や教員の実態に応じた取組みが必要。
・そのためには、取組目標の設定や重点化など、校長がマネジメント力を発揮し、校長のリーダーシップの下、教員同士のコミュニケーションを良好にして教職員の意識を共有化し、組織的・主体的に取組みを推進することが重要。
・県や市町村教育委員会は、これまで取り組んできた「教師のゆとり創造アクションプログラム」の成果を踏まえつつ、それぞれの学校のニーズや課題、教員の勤務状況等を適切に把握した上で、「児童生徒にとってより良いことは何か」、「学校を支援するために何が必要か」という視点に立って、教員と子どもが向き合う教育活動を充実するための環境整備に努めていく必要がある。


教師のゆとり創造の取組み指針

勤怠管理と勤務時間可視化の違いとは

文部科学省 学校における働き方改革特別部会の調査の結果「『労働時間を正確に把握すること』が、「残業時間の減少」、「年休取得日数の増加」、「メンタルヘルスの状態の良好化」に資する。」と報告しています。
このことから、学校の働き方改革の実現のために、ICTによる勤務時間の可視化は重要な要素です。
NoverTiは、教職員個人、学校、教育委員会の3つの視点で、教職員の属性に基づいて分析できます。
教職員個人はご自身のことを、学校の責任者の方は自校の教職員の働き方を、教育委員会の担当者の方は管轄する学校の働き方を様々な属性から分析し、対策へと繋げられます。
レポートをクリックするだけで様々な切り口で自動で分析・集計できるので、勤務時間を記録するだけの運用よりも、ICTにより成果の見える働き方改革を日々実施できます。

詳細は下記ページの右下ポップアップからカタログをダウンロードください。


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