データ活用から見る勤務時間データの可視化

データ活用の成熟度

今回は技術視点から勤務時間データの利活用と可視化を掘り下げ、将来的にどのように勤務時間データを活用していけるのか、将来像を考えていきます。
数年前はビッグデータの活用についてはバズワードなどと呼ばれることもありましたが、最近のAIの台頭により、将来予測ができるような仕組みが整ってきていることで、誰でも可視化の恩恵を受けられるような時代になりつつあります。

可視化で大変なのは、実はデータの加工

実のところ、既存のデータを可視化するとして、実は大変なのはデータの加工です。元となるデータの形式がシステムによって異なっていることが往々にしてあり、これを可視化ツールが集計しやすい形に整えることが最初の作業として必要になります。最近では、システム登録されているデータからある程度の規則性にあてはめて加工できるようになっており、複数システムでの突合の難易度も下がっていますが、古くから使われているシステムは、キチンとデータのメンテナンスがされておらず、もともとのデータが不規則になっていたりして、この洗い出し(データクレンジング)に追われることもあります。
では、学校における勤務時間データの場合はどうでしょうか?もともとシステムに登録されているデータではないので、過去データの活用にあてはめる必要がありません。
新規にデータをシステム登録することになるので、可視化を前提として登録するシステムであれば、最も大変なデータの加工にかかる作業時間や費用が発生しません。NoverTiはその点を意識して勤務時間データを管理しています。

データ活用の第一フェーズは可視化

実は可視化をすること自体は、大きな価値があるわけではないのです。可視化とは、なんとなく把握しているデータを、エビデンスとして説得力のあるデータとするものです。可視化した後に、見るべき人がデータの意味に気づき、データに対する施策を繰り返し実施することが重要です。またその施策の効果を予測するのが、AIなどのツールとなります。ですので、可視化の一歩先を考え、どのような目的で可視化をする必要があるのかを考え、そのためにどのようなデータが必要なのかを踏まえてデータ活用を進めることが必要となります。
図におこすと下図のようになります。

データ活用の成熟度
データ活用の成熟度

勤務時間データのみでいうと、左下に位置することになります。具体的に勤務時間データを活用することを考えると、まずはデータの深さを掘り下げ、「気づき」フェーズに移行していく必要があります。「気づき」フェーズに移行するには、単なる勤務時間データでは足りませんので、データの深さを掘り下げるということで、教職員の属性が必要になります。例えば分掌・年代・担当科目・担当学年など、勤務時間に紐づく情報を持たせる必要があります。また、可視化データを見る人によってもより多くの情報が必要になりますので、例えば教育委員会であれば、地域毎や学校毎に違いを見てみたいなどの要望も出てきますので、学校種別や学科、または緯度経度による違いなどの情報も持たせることで、気づきの精度が上がっていくことになります。

ここまでのことを勤務時間データだけで行おうとすると、かなりの作業や時間が必要となり、手作業で行っている間に新しいデータが蓄積され、鮮度の低いデータ活用になってしまいます。
そこで、「可視化」や「気づき」に至る作業を自動化するのがPower BIであり、NoverTIでもあります。

可視化・分析でどのようなことができるか

例えば、全国に140万人いるすべての学校教員のデータをNoverTiで扱うとすると、おおよそ年間で最低2TBというデータになります。データ量からするとビッグデータとはいえませんが、これを活用しようとすると、分析用のアプリケーションが必要になります。例えば、東日本で小学校・中学校の勤務時間を比較するという可視化ストーリーを検討した場合に、Excelではとても処理できるデータ量ではありません。そのため、ある程度集計データを絞る必要がありますので、精度が低下してしまうことになりますが、NoverTiはデータを絞ることなくこの作業をワンクリックで行えますので、制度の高い分析が可能になります。また、データだけでなく学校に精通する教育委員会であれば、全体のデータを見た際に、モデル校や進学校、教職員が少ない学校や多い学校などの、人の経験と突合することで、可視化した先の気づきが用意になります。

その先には他システムのデータであったり、外部データと連携することで、経験だけではわからない意外な気付きが生まれることがあります。

SNSを利用して情報発信している地域は時間外労働が少ない、豪雪地帯は冬の時間外勤務が少ない、などSNSデータや気象データなどと突合することも可能となりますので、地域や学校事情を考慮した働き方改革の施策に説得力が生まれることなります。
また、これらのデータ分析ノウハウを体系化するとAIによる学習モデルに反映でき、よりデータの信頼性が向上しますので、俗人化しない価値あるデータとして活用できるようになります。
また、教育委員会など管理側だけでなく、教職員に対しても、自分と類似したデータを元に、AIが自分の働き方を提案してくれるという、My Analyticsのような活用方法につなげることができます。
これらはただ単純に勤務データを記録するだけでは不可能であり、データ活用という今の時代のトレンドと将来を考えたシステムでこそ実現できるものであります。

ためるだけのデータから活用するためのデータへ

このように、勤務時間データの1つをとってもどのように活用できるかは未知数であり、効果が生まれるかは人のナレッジが必要です。しかし、活用することを前提としてデータを保存・管理することを検討すると、ここに大きな意味が生まれ、新たな視点で働き方改革を推進できることにつながります。そのためには多くのハードルがあり、一から手作業で行おうとすると途方もない作業と時間がかかりますが、これらを自動化することが最新のクラウドテクノロジーで可能になりました。
ICTの利活用だけでなく、データを中心とした業務を検討することで、エビデンスを基にした効果のある業務改善や施策実施を容易に行えるようになりますので、このPostが学校関係者に対してより将来を見据えた取り組みの実施につながれば幸いです。

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